「今宵は言霊を交わす約束だったね、芙曄」 「若さんが触れたいのはわっちの心?それとも唇でありんすか?」 「そうだね。触れたいのは唇。攫いたいのは心だよ」 「まぁ、怖い。そないな言霊は毒でござんすよ。暑苦しゅうて溶けてしまいそう…」 「それは困るな。まだ、裏を返しただけだ。馴染みになる前に消えられると私はどうしたらいいのかな?」 「では言霊は慎みなんし」 「…つれないね、芙曄」